マンションを購入、経営する際に、頭の痛い問題といえば、管理委託費の問題です。
多くの住人を入居させクレームなく利用してもらうにあたって、適切な管理は必須といえます。
しかし、そのための経費で赤字になってしまっては、元も子もありません。
この記事では、管理委託費がどのように決定されるのか、それらをどうすれば安くすることができるのかについて、具体的に解説していきます。
管理委託費はどのようにして決定されるのでしょうか。その内訳について解説していきましょう。
まず集計されるのが、事務管理業務費と管理員業務費です。
前者は事務経理に関する業務の人件費等が中心となります。例えば銀行との取引や家賃の入金チェック、家賃滞納者への対応や決算報告書の作成などもここに入ります。
後者はマンションに直接赴いて管理作業を行っている作業員の人件費等が主となります。夜間の管理もサービス内容に含まれている場合は、その分加算され割高です。
その名のとおり、日々の清掃業務を担当する作業員に支払われる人件費が中心となります。マンションが大きく、掃除する箇所が多くなれば清掃時間も増えるので、費用は増加します。また、大規模な定期清掃をどのぐらい行うかによっても、この費用は変化します。
ポンプや給水装置、消防設備などマンション内に存在する各設備の定期点検費がこのカテゴリで計算されます。また、24時間コンピューターで監視を行うオンラインシステムの維持管理費なども集計されているようです。
ほかには汚水槽や貯水槽の清掃、水道の検査や建物内にある植物の管理維持費などが計算されます。
管理委託費というのはマンション管理に関連するあらゆる業務費用から集計されますが、時として不自然なほど高額となる場合があります。その大きな要因は、管理会社がどのように業務をこなすかということと関係してくるのです。
ポンプや貯水槽、消防設備の点検など、専門的な知識を必要とする業務の場合、管理会社は仲の良い企業、あるいは子会社へそれを委託する場合があります。
管理会社は委託先へ報酬を支払うのですが、その際本来は払ってない額を、自分たちの利益、すなわち「マージン」として設備管理費、もとい管理委託費に上乗せし、こちらへ要求してくることがあるのです。
すべての管理会社がこのようなことを行っているわけではありませんが、事例として決して少なくはありません。
また、管理会社が分譲会社の関連企業である場合にも注意が必要です。そのような場合は分譲会社が彼らに委託することが前提となっているため、管理会社どうしによる競争が発生しません。 これをよいことに、管理会社が通常よりもすこぶる高い管理委託費を請求してくることがあります。
もちろんその中には、自分たちが獲得したい利益が上乗せされているのです。
このような管理会社の行為に対抗し、管理委託費を安く済ませるにはどのような方法をとればよいのでしょうか。
サービス内容を削減してもらうという方法が手っ取り早いですが、それをするとこちらのマンション経営にもよくない影響を及ぼすので、今回は考えないようにしましょう。
適切な手段としては、複数の管理会社に見積もりを請求し、それを比較することです。こうして競争原理を持ち込むことによって、利益を上乗せする企業をはねて、適切な価格で業務を行ってくれる管理会社を選び抜くことが可能となります。
マンション経営というものは、管理会社に任せて終わりというわけではありません。 管理委託費をどう安く抑えるべきかというのも、経営を継続していくにあたって重要な要素です。
毎月支払っている管理委託費は本当に適切なのか、組合のメンバーと話し合って検討していきましょう。