ここでは、マンション管理士とは、どんな仕事をしている人たちなのかを解説します。
また、どのマンションにもマンション管理士は必要なのかを説明します。
マンション管理士とは、マンションの運営に関する専門資格です。
一つ屋根の下に多くの世帯が生活するマンションにおいて、全体の最大公約数となる利益を追及するには、専門家による幅広い知識と経験が必要です。
住民の自助努力でこれを実現することは、多少手間がかかります。マンション管理士は、住人のためにとても重要な仕事をしているのです。
マンション管理士は、マンション運営に関する全ての細かい業務を行わなければなりません。
会社内であれば、会社内の規則や決められた範囲の仕事がありますが、マンションは生活の場である以上、多くの人たちの生活スタイルや、価値観が混じり合った複雑な空間です。
この複雑さを秩序だてるすべての業務を、マンション管理士は行います。業務内容を大きく分けると2つに分けられます。
マンションは新築時をピークに、日々、老朽化していくものです。
そのまま放置していれば、資産価値は下がってしまいます。すると、将来的にマンションを売却したいという住民にとっては、不利な価格での受け渡しとなります。
マンションの住民が、こうした将来的な不利益を被らないよう、マンションの資産価値を長期的に維持させていかなければなりません。
そのために、組合員は長期修繕積立金などを支払います。
しかし、住民には資産価値維持のための大規模修繕などの知識はありません。そこで、専門家であるマンション管理士が、常にマンションの資産価値を維持するために計画・行動をしているのです。
100世帯あれば100通りの生活スタイル、価値観があります。
だからこそ、同じマンション内では、大小問わずトラブルが予測されます。
騒音やペットの飼育、管理組合の運営、契約関係など、トラブルの要因となるものは、マンション内にいくつかありえます。
こうしたトラブルを解決するのもマンション管理士の仕事です。
個別のトラブルは、一般論では解決しない場合が多く、そのためマンション管理士は、個別にその都度、解決策を考えなければなりません。
とても難しい仕事ですが、トラブルが発生しないよう管理組合に予防策を助言するのも、マンション管理士の業務の一つです。
マンション管理士は新築のマンションよりも、築後2~3年経ったマンションに必要となります。
ある程度年数がたったマンションに、マンション管理士を導入することで、現状の改善が期待できるからです。
もちろん新築のマンションでも、当初から大まかなルールなども決めやすいので、導入する価値があります。
また、マンション管理士は、ただ仕事をこなすだけではなく、住人の快適な生活を維持させることが大事です。
快適な生活を維持させることで、住人に支持されれば、管理組合は、管理会社変更などの議案に至ることはないでしょう。
つまり、結局は管理会社、マンション管理士、マンションの住人の三者は、いわば運命共同体なのです。
互いの利益のためには、思いやる気持ちで付き合うことが重要ですね。