マンション管理会社は、大きく「独立系」と「デベロッパー系」の2つに分けられます。管理会社を選ぶ際には、それぞれの特徴をよく把握するのが重要です。
ここでは、独立系とデベロッパー系それぞれのメリットやデメリット、管理会社を選び方などを紹介します。マンションの管理会社を探している人は、ぜひ参考にしてみてください。
独立系のマンション管理会社は、親会社を持たない独立企業です。マンション管理をメイン業務として行っている中小企業が多くあります。
デベロッパー系と比べ、積極的に管理会社を変えるようリプレイス営業を実施し、管理戸建てを増やしています。積極的に営業を行わなければ管理戸建てが増やせないため、デベロッパー系と比較して管理委託費は安めになっています。
ただし、管理委託費を安くする分日常修繕の工事や大規模修繕工事を割高にすることで、不足した利益を補う傾向があるため、委託費の価格だけで選んでしまわないように注意が必要です。
デベロッパー系のマンション管理会社は、新築分譲マンションの販売をメインとするデベロッパーの管理部門が独立した子会社のこと。親会社の分譲したマンションの管理を受託をメインとしており、積極的に他の管理会社のマンションに対してリプレイスの営業は行っていません。
ブランド力があり信頼感もあるものの、管理組合が支払う管理委託費は高めに設定されやすいため、より安く利用できる独立系の管理会社へ変更されるケースもあります。
独立系管理会社のメリットは、管理委託費をはじめとしたコストがデベロッパー系と比較して割安であるという点です。長期に渡りマンションの管理を任せるため、低コストであることは大きなメリットとなるでしょう。
また、管理戸建てを増やす必要があるため、他の管理会社で断られたマンションであっても対応してくれるケースも。独自のサービスを開発していたり、積極的な提案をしてくれるなど、丁寧で柔軟な対応も期待できます。
一方で、独立系の管理会社には、管理委託費が安い分サービスの質が低下する恐れがあることも忘れてはいけません。もちろん、全ての独立系管理会社に当てはまるわけではないため、低コストかつ高品質なサービスを展開する会社を選ぶのが重要です。
デベロッパー系の管理会社は、大手企業のグループ会社であることが多いため、経営基盤が安定しており管理実績も多いというメリットがあります。母体が大手企業であるため安心感もあり、サービスの質も安定しているでしょう。
また、社員やスタッフの教育を行う時間や費用が十分あるため、フロント担当者に一定以上の質が期待できます。
その反面、やはりデベロッパー系の管理会社は、独立系の管理会社と比べると少し管理委託費が高いのが特徴です。サービスの質が保証されているので仕方ないと思うかもしれませんが、長い目で見ると独立系の管理会社より多くの費用が発生します。
デベロッパー系は資本の関係から親会社に左右されやすく、独立系は価格を優先する分サービスの品質が落ちるリスクがあるという特徴があります。デベロッパー系の場合は知名度があるため安心感が生まれるうえ、マンションの規模が大きくてもサービスの質が落ちる心配はまず無いでしょう。一方で、築年数が古く他の管理会社で断られたマンションでも、独立系なら受託してくれる可能性が高くなります。
どちらにもメリットとデメリットがあるため、マンションの規模や状況に合わせてどの管理会社が良いかを選ぶのが重要となります。組合で話し合い、優先すべき事項に対してサービスが充実しているかなどを確認することが大切です。